最新の研究に基づくあくびが出る8つの原因

最新の研究に基づくあくびが出る8つの原因

あくびをすることは人間をはじめとした様々な生き物(鳥類、爬虫類及び魚類)にとって普通な生理現象です。子宮内の胎児も超音波を通して、あくびをすることが分かっています。もしあくびがそんなに普遍的な現象であるならば、あくびをすることの目的は何でしょうか?その答えを解き明かすために、多くの人は今日も研究をしています。私たちの多くは、あくびをすることは疲れているから、もしくは眠いからだと教わってきたかもしれませんが、実際にはそれほど簡単な理由だけではないようです。いきなりあくびが出るのは最も原始的な現象の一つと言われており、多くの研究がされていますが、未だにそのメカニズムははっきりとは解明されていません。しかし、最新の研究によると、以下の要因はあくびとの関係がある可能性が高いと考えられています。

あくびが出る8つの原因

・疲れ
・社会的な影響
・ストレス
・脳の使い過ぎ
・退屈
・お腹が空いている
・標高の変化
・健康上の理由

    私たちは様々な状況であくびをします。状況によっては、周りに自身が疲れていたり、退屈に感じていると思わせないためにあくびを意識的に止めることもあります。

    時には、人があくびするのを見ることにより、あくびをしたくなることもあります。ただ、あくびをする理由はそれだけでしょうか?研究者達もあくびの意味や原因についての決定的な結論には至っていません。しかし、数十年間の研究結果に基づいたあくびに関する複数の理論が存在します。そのうちのいくつかは、あくびが身体にもたらす効果や影響について考察し、他の一部はあくびの社会的な価値に注目したものです。

    現在の研究技術の進歩により、分からない部分もありますが、あくびについての理解は昔に比べて深まりました。あくびについて初めて仮説を立てたのは古代ギリシャの医者、ヒポクラテスと言われています。彼は、あくびは病の前兆であり、肺からの悪い空気を体の外へ放出する役割があると考えたそうです。それでは、今研究者の中で有力だと言われている理論を紹介します。

     

    1. 疲れ

    あくびが疲れによるものだと唱える説によると、私たちの体は睡眠不足の状態だと、通常時と比べて呼吸が浅くなり、体内の酸素量が少なくなることに起因すると言われています。そのため、あくびは不足している酸素を体内へ取り込み、二酸化炭素を体外へ放出するための生理現象だと考えられています。しかし、一部の研究者はあくびが起きるメカニズムは、呼吸に必要なメカニズムとは異なると考えています。

    一部の研究結果によると、あくびは脳の察知能力を反射的にあげるためにあると考えられます。あなたの体はあくびという名の深呼吸を通して、体に酸素を供給としているのです。また、あくびは察知能力と心拍数を一時的に上げる効果のあるホルモンの分泌に関わっているとも言われています。ある研究は、大きな深いあくびはカフェインに似た効果があるとしています。これは進化の過程で、あくびが私たちの先祖が外敵に眠っているところを襲われないようにする役目が合ったと理解することができます。

    他の説は、あくびはサーカディアンリズムとの関係があり、体に寝る時間を知らせたり、朝に体を起こす働きがあると唱えています。興味深いことに、私たちは寝る準備が整った時と、眠りから目覚めた時によくあくびをすることが分かっています。実際に一日の中で、一番あくびをする時間帯は寝る前と起床後の1時間です。そのため、一部の学者はあくびは体に意識の変化をもたらす効果があると考えます。もしあなたが不眠気味で苦しんでいて、寝る方法を探しているなら、普段どの時間帯からあくびをし始めるか意識を傾けてみましょう。もしかしたらあくびをしている時が、睡眠の準備が整ったタイミングかもしれません。

    2. 社会的な影響

    ある説によると、あくびが体にもたらす影響は微弱ですが、その社会的な価値は高いと考えられています。一部の研究者は、あくびが「うつる」原因は古来からあるコミュニケーションの一部と考えています。理由の一つとしては、もらいあくびをすることによって同じグループのメンバーが疲れていることに対しての同情を示し、感情的な繋がりを強めることができるからです。また進化の過程を考えると、あくびは同じグループのメンバーに眠る時間を同調させたり、外敵から身を守るために察知力を上げるための効果があった可能性もあるそうです。これらは今の社会では不必要ですが、昔の機能が今も残っているということです。

    3. 社会的な影響

    あくびの回数が重大なイベント(会社でのプレゼン、スポーツ大会、デート等)の前に増えるのは珍しくありません。研究者によると、具体的なメカニズムは未だ明らかになっていませんが、あくびはストレスとの関係性があると考えられています。先述した説に似ていますが、あくびによって、私たちの体は重大なイベントに対して身構える意識づけをしているかもしれません。イベント後にも、緊張した状態から意識を落ち着けるために、あくびの回数が増えることもあります。

    4. 脳の使い過ぎ

    一説によると、あくびは脳を使い過ぎた時に、オーバーヒートを避けるために起こる現象と考えられています。つまり、あくびは人間の体に備わっているエアコンのようなものという仮説です。この説は新しいものですが、人間、インコやネズミなどの研究データを基に編み出されました。メカニズムとしては、あくびをすることにより顎がストレッチされて、頭部への血流を上昇させます。また深呼吸をすることで、脳脊髄液や血液が脳から下へと流れます。この時、口から体内に取り入れる空気が冷たければ冷たいほど、これらの液体の気温を下げることに繋がります。こうして、脳の周りにある暖かい液体を冷たい液体と交換する冷却効果をあくびは持っているとの仮説が立てられています。脳を一定の気温に保つことにより、体温のコントロールがしやすくなり、察知力など様々な効果があると期待されています。また、体温調節は睡眠と密接な関係があることから、朝と寝る前にあくびが増える事へのリンクも考察されています。

    5. 退屈

    あくびが眠りと関係していることを示す説と同様に、あくびは退屈な時に脳が察知力を上げるために送るシグナルとも考えられています。私たちの周りの環境が脳に十分な刺激を与えないと、体はスリープモードへ移行することがあります。あくびはそれを避けるために存在する可能性があります。しかし、この説は他の説と同じく、十分な証拠が見つかっていません。そのため、職場であくびをしている人がいても、怒らないようにしましょう。なぜなら、あくびの原因が退屈ではなく、疲労であるかもしれないからです。

    6. 空腹

    この説によると、あくびは血糖値が低く、空腹な状態であることによって起こる現象だと考えられています。また、体内の水分量が低い時にもあくびをする可能性も示唆されています。人間の体は空腹時に疲れや不快感を感じやすく、それによりあくびが増えるのかもしれません。興味深いことに、人類同様、霊長類も空腹時にあくびの回数が増えると言われています。

    7. 標高の変化

    人間の体は、標高の変化に敏感で飛行機の離陸時やエレベーターに乗っている時などに、耳の圧を調節する目的であくびをすることがよくあります。これは、あくびをする際に、耳管が開くためです。次に飛行機やエレベーターに乗っている時にあくびをしないように意識してみてください。あくびは生理現象のため、防ぐことは恐らく難しいでしょう。

    8. 健康上の理由

    あくびをすることはほとんどの場合、全く問題のないことですが、場合によっては必要以上にあくびの回数が多い時は病気を疑った方がいい可能性もあります。あくびと関係性が高いと言われている病気の例としては、過眠症、無呼吸症候群や不眠症などが挙げられます。これらの病気をお持ちの方は、睡眠環境を改善することによってあくびの回数の減少に繋がることもあります。また、偏頭痛をお持ちの方や特定の薬を服用している人は、あくびをすることが多いと言われています。これ以外にもあくびとの関係性が囁かれている重病もありますが、それらは極めてまれで、医学的な証拠は十分ではありません。しかし、もし自分があくびを非常に多くしていることに気付いたら、お医者さんに相談することをお勧めします。

    あくびすることはいいこと?

    あくびが体に良いかどうかは分かっていません。もしあくびの目的が確証されていたならば、この問いに対しての答えはもっと簡単に出るでしょう。しかし、現在研究者によるとあくびは体内のあらゆるシステムに影響を及ぼすことが分かっています。また、あくびをすることは気持ちの良い場合もあります。ストレッチをしている時に出るあくびは気持ちが良いですね。面白いことに、あくびは半自発的な行動と考えられています。私たちの多くは、あくびをしなさいと言われて、すぐにあくびをすることはできません。そのため、あくびは脳によってコントロールされている反射機能だと言われています。あくびを司ると言われている脳の部分は、オキシトシンやドーパミンなどのあくびを誘発する物質を分泌する部分と同じです。

     

    あくびをコントロールする方法

    もしあなたが重大な会議中にあくびをするのを防ぎたかったら、以下の方法を試してみてください。

    − 温度調節に気を付ける:体温が暑くなりすぎると、それを下げようとしてあくびの回数が増えるかもしれません。そのため、体が暑くなり過ぎないように、着ているものを調節し、体温を一定に保つようにしましょう。

    − コップ一杯の冷水を近くに置く:あくびが出そうだなと感じたら、冷たい水を一口飲むと良いでしょう。あくびを完全に防ぐことはできませんが、水分補給をすることは大切です。もし仮に脱水症状があくびを招くという説が正しければ、水を飲むことは効果的です。

    − 深呼吸を鼻からする:もしあくびが体内の酸素量を増やすために起こるのであれば、自ら深呼吸をすることによりあくびの数を減らすことができます。冷たい空気を体内に取り入れることで、体温や脳の温度を一定に保ち、あくびをある程度防ぐことができるかもしれません。