脳神経科学者ハル先生が一刀両断 ― Vol.2 寝不足脳が糖尿病を引き起こすかも!?

脳神経科学者ハル先生が一刀両断 ― Vol.2 寝不足脳が糖尿病を引き起こすかも!?

脳を毎日一定期間休めないと、糖尿病やアルツハイマーなど脳の病気になりやすいことを知っていますか?脳神経科学者のハル先生にそのメカニズムを教えてもらいました。 

寝不足のリスク、休めない神経が起こす怖い病気 

世界各国の報告から、睡眠時間が短い人は毎日6−8時間寝ている人と比べて高血圧、糖尿病のリスクが高くなることがわかっています。日本でも睡眠時間が7時間以上と6時間未満を比較すると、6時間未満の人たちでは高血圧の発症率が1.7倍になることが報告されています。

なぜ寝不足だと高血圧、糖尿病になりやすいのでしょうか?起きている間、私たちの体では交感神経が優位に働き、血管が拡張して、その結果、血圧が上がります。逆に、寝ているときは副交感神経が優位に働き、リラックスして血圧が下がります。しかし寝不足だとリラックスできず、血圧が上昇するのです。

交感神経、副交感神経の働きは血糖値にも影響します。交感神経は血糖値を上げる働きをするホルモンを増やし、血糖値をコントロールするホルモン、インスリンを減らします。寝不足では交感神経優位が続くことにより、血糖値のコントロールがうまくできなくなるのです。

生活習慣病だけではありません。寝不足はうつ病やアルツハイマー病など脳の病気にもつながる可能性があります。睡眠障害があるとさまざまな病気にさらされるリスクがあるということです。人生100年時代。長く健康な人生を過ごすためにも 十分な睡眠が取れているかどうか見直してみませんか?

 

ハル先生プロフィール:
大川 晴久
東京大学卒業。南カルフォルニア大学、神経科学 博士課程卒業。
その後、約7年間ワシントン大学にて脳神経科学者として研究に従事。
その後、製薬系の外資コンサルティング会社にて、神経系のプロジェクト担当。
現在、外資系製薬会社に勤務。中枢神経部門に属する。 

 

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引用:

  • 睡眠のなぜに答える本 大川匡子、高橋清久、ライフサイエンス
  • 睡眠こそ最強の解決策である マシュー・ウォーカー SB Creative
  • Cespuglio R et al. (2005) Energy Processes Underlying the Sleep Wake Cycle; Chapter 1 in Parmeggiani & Velluti.
  • Xie L et al. (2013). Sleep Drives Metabolite Clearance from the Adult Brain.Science. 342 (6156): 373–377.
  • Gümüştekín K et al. (2004). Effects of sleep deprivation, nicotine, and selenium on wound healing in rats. International Journal of Neuroscience. 114(11): 1433–1442
  • Suka M et al. (2003) Persistent insomnia is a predictor of hypertension in Japanese male workers. J Occup Health.45(6):344-50.
  • Lucey BP et al. (2019) Reduced non-rapid eye movement sleep is associated with tau pathology in early Alzheimer’s disease. Science Translational Medicine
  • Banks S, Dinges DF. (2007) Behavioral and physiological consequences of sleep restriction. J Clin Sleep Med.3(5):519-28.
  • Sapolsky RM. (2004) Why Zebras Dont Get Ulcers. Third Edition. Henry Holt and Company, New York.
  • Leproult R et al. (1997) Sleep loss results in an elevation of cortisol levels the next evening. Sleep. 20: 865-870.
  • Vgontzas AN et al. (2001) Chronic insomnia is associated with nyctohemeral activation of the hypothalamic-pituatary-adrenal axis: clinical implications. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 86(8): 3787-3794.
  • Knutson KL, Van Cauter E. (2008) Associations between sleep loss and increased risk of obesity and diabetes. Ann N Y Acad Sci. 1129:287-304

 

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