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記事: 07. 獣医師(市川総合病院院長) 伊藤裕行

07. 獣医師(市川総合病院院長) 伊藤裕行

07. 獣医師(市川総合病院院長) 伊藤裕行

獣医になりたいと思った経緯を教えてください。

伊藤:母方の実家で、犬や猫、鳥をたくさん飼っていたので、小さいころから動物に触れていました。とても可愛くて癒される存在でしたね。ただ自宅には動物がいなかったので、動物を飼育したい気持ちがあふれ、両親を説得して、まずつがいのハムスターを飼育しました。ハムスターは寿命が2年ほどと短く、子供が生まれても半分以上が死んでしまうので、この経験で動物の生き死にを実感しました。その後、母親に大変怒られましたが、実家から勝手に子猫をもらってきて、家族みんなで飼うことになりました。ある日、その猫が病気をしたので動物病院に連れていき、治療や予防の重要性を知りました。お世話になった獣医師の先生がとても人当たりが良く、説明も明解で、誠実なかっこいい先生でした。まだ小学生でしたが、その先生と接して、動物を治す仕事がしたいと思うようになりました。

獣医になりたいと思った理由を語る伊藤裕行先生

市川総合病院の診療方針や先生の業務内容を教えてください。

 伊藤:動物病院には内科と外科両方をされている病院がほとんどですが、特定の動物や疾患、臓器を診る専門病院もあります。私はジェネラリストと言って、心身の健康や生活背景など、多角的に病気と向き合い治療し、予防にも携わる総合診療をしています。動物は基本的には犬と猫、あとはフェレットやウサギ、ハムスター、鳥などを診察しています。業務としては、午前と午後に診療を行い、昼の合間に入院動物のカンファレンスを行っています。総合診療医として、定期的な検診に伴う診察や処置、検査、治療、薬の処方、ワクチンなどの予防をはじめ、診察の合間には部下の指導や教育、その他いろいろな業務をしています。

獣医の魅力ややりがいを教えてください。

伊藤:根が動物好きなので、すべての動物の治療に関われることが最大の魅力ですし、動物と毎日触れ合えることも癒しやエネルギーになっています。人間同士のように言葉によるコミュニケーションができないので、動物の表情や状態を把握し、自分の五感と能力を駆使することで、動物の健康を維持したり、治療することに全力を尽くしています。動物が健康で長生きできることや病気を治すこと、治らない病気でもQOL(生命の質)を維持した生活を送れるようなお手伝いをすることで、動物と飼い主さまから感謝され、喜びを分かち合うことができることにやりがいを感じています。

獣医の魅力ややりがいを語る伊藤裕行先生

ペットの睡眠メカニズムや効果について教えてください。

伊藤:動物にとって、睡眠は脳の疲労を回復させ、記憶の整理や定着をするためのものです。人間同様、犬にもレム睡眠とノンレム睡眠があり、レム睡眠6分とノンレム睡眠12分という割合で約20分周期という短い睡眠サイクルを繰り返しています。その効果は、ペットにとっても人間にとっても同じと考えられており、すべての動物にとって睡眠の重要性は変わりません。しかし、睡眠がどのような意味を持つのかはほとんど解明されておらず、世界中の科学者が研究を進めています。

飼い主としてペットの良質な睡眠を実現するために、必要なことはありますか?

伊藤:飼い主さまのベッドや布団でペットと一緒に寝ていることは良く見受けられますが、寝ている飼い主さまの体動やいびきなどで、ペットは安眠ができていないと思います。睡眠不足が続くと、ペットにおいても人と同じくさまざまに病気や障害になる可能性があります。そのため、やはりペット専用の良質なベッドが重要と考えます。ペットの寝心地や快適性を追求したものが理想的でしょう。また、人と同じくストレスを作らないためにしつけも大事ですが、しっかりとした栄養管理、飼い主さまとよく運動してよく遊ぶことで発散することも重要です。また、健康管理も重要ですので、定期的な動物病院での検診を受けていただくことは必要ですし、健康維持のためのサプリメントも活用しましょう。

犬の置物

では、ご自身の睡眠について、その重要性をどのように捉えていますか?

伊藤:以前、ストレスから夜中に目が覚めてしまう睡眠障害が長く続き、疲労が回復せずに蓄積してつらかった経験があります。睡眠障害が治まり、ぐっすり眠れるようになってからは、疲労も回復しやすくなったので、睡眠の重要性は十分に理解しています。人生の1/4~1/3は布団の上にいることを考えると非常に大切だと捉えています。睡眠をとることで脳と身体を休め、次の日の認知機能と行動をより良いものに導いてくれます。良質な睡眠を取らないと心身ともに活気のある生活は送れません。

あなたにとって睡眠とは?

伊藤:仕事柄、常に症例のことを考えているので心が休まる暇がなく、また日々の仕事で時間にも追われていますので、大変ストレスがかかります。ストレス耐性が高いのでなんとか乗り切っていますが苦笑、私にとって睡眠を取ることが、ストレスから解放され、リラックスできる時間でもあります。ストレスをため込まないことや日々を楽しく過ごし、何事にも感謝することをモットーに生活しています。このことに最大限役立つものが、睡眠だと認識しています。

睡眠について語る伊藤裕行先生

休日の過ごし方やリフレッシュ方法を教えてください。

伊藤:20〜30年ぐらい前のスープラやシルビアといったネオクラシックカーが好きなので、そういった愛車でドライブしています。福島にあるエビスサーキットに行って、少しだけドリフトの練習をしたり笑。あとは、動物のかわいい動画を見て癒されたりしています。

今後の人生の目標やヴィジョンを教えてください

伊藤:ペットの健康のために日々、動物医療に熱意を持って取り組んでいます。究極の獣医ジェネラリストになること、ペットの良質な睡眠を啓蒙すること、獣医療でのサプリメントの普及、慢性腎臓病動物の寿命延伸、動物看護・介護の向上、動物再生医療の発展を目指すべく活動中です。ペットの健康寿命と幸福寿命の延伸を目指すためにも予防医療の重要性を伝える普及活動をするとともに、私自身も100歳まで健康でいたいと思います。また、獣医医療を通じて動物業界のさらなる発展に貢献するとともに、世界平和に貢献できればと思っています。

今後の目標やヴィジョンを語る伊藤裕行先生

 

 

Text & Edit:Kazuhiro Hasegawa(no name books)Interview photos:Kazuhiko Tawara(magNese inc.)
スリーピーアイを使った伊藤裕行
先生の顔

睡眠とは

神秘に包まれた重要な儀式

1996年、酪農学園大学獣医学科を卒業。製薬会社、熊本県の動物病院を経て、99年に苅谷動物病院グループに勤務。2012年、同院グループの市川総合病院院長に就任。患者さんとペットの健康のため、熱意を持って動物医療に取り組んでいる。現在は日本獣医再生医療学会の常務理事、どうぶつ予防医療協会の代表理事も務める。

https://www.kariya-ah.co.jp/access/ichikawa.html 

https://www.jsvrm.org/ 

https://apma-yobo.org/ 

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