ブルーライトとの正しい付き合い方

ブルーライト

健康な毎日を過ごすために、身体を労ることは欠かせません。多くの人々は食事に気を使ったり、ジムに行って適度な運動をしますが、私は医者、及び臨床心理士として普段どれだけ自分が寝る前にブルーライトを浴びているかをチェックしています。

さて、ブルーライトとは何でしょうか?ブルーライトは可視光線(人の目で見ることが可能な光)の中でも、特に波長が短く、強度なエネルギーを持っています。私たちは日々の生活の中で、携帯の液晶画面、パソコンやテレビ等を通して、ブルーライトに晒されています。

では、私たちはどれだけブルーライトに気をつければいいのでしょうか?私は医者として、自分の患者さん全員に「光は薬である」と伝えています。ジャンクフードを一日中食べ続けた後に、健康であると感じないのと同様に、ジャンクな光を浴び続けているのに関わらず、良質な睡眠や高いパフォーマンスを期待するのは難しいです。しかし、しっかりと管理をすれば、光への露出はパフォーマンスを改善したり、睡眠の質を上げたり、エネルギーの上昇に繋がることも可能です。今日の液晶画面だらけの世の中では、光との付き合い方は、あなたの健康と良質な睡眠を保つ上で非常に大切な役割を担っています。

現代の社会では、どこに行っても光が存在するため、暗闇を探すのが一苦労な時もあります。また、私たちは人類の歴史上、最も多量のブルーライトに晒されています。その中で、なぜブルーライトに関する理解を深めることは大切なのでしょうか?

夜中のブルーライトが睡眠に与える影響

近年の研究に基づいたエビデンスによると、ブルーライトが身体に悪影響を及ぼす可能性があることが明らかになりました。

科学的な調査結果によると、可視光線の中でも、ブルーライトは眠気を激しく抑え、眠くない状態を誘発することが分かりました。ブルーライトは睡眠において大切な役割を果たしているメラトニンの生産を他の可視光線に比べて、約2倍抑制する効果があり、サーカディアンリズムに大きな支障を及ぼします。体内の24時間で構成されているサーカディアンリズムを邪魔することによって生じる健康への影響は重大です。例として、心血管疾患、代謝、免疫、情緒の不安定さや知覚の低下などに繋がる恐れがあります。もしあなたのサーカディアンリズムが崩れている場合は、あなたの思考力、感性及びパフォーマンスは低下しており、長期的には重大な欠陥の原因となります。

若くて健康な成人をもとに行った最新の研究結果によると、パソコンなどから生じるブルーライトを夜の9時から11時に浴びた場合の結果として、睡眠時間の短縮、メラトニン生成の激しい抑制や、中途覚醒によって起きる眠りの質の著しい低下などが確認されています。

研究チームは、ブルーライトは夜中の体温の低下を抑える働きがあることを確認しました。人間は体温を徐々に落とすことによって、身体を睡眠へと導きます。ブルーライトは体温を日中と同じ位に保つため、夜中にそれを浴びると、サーカディアンリズムが崩れ、睡眠へと悪影響を及ぼすのです。研究の参加者は、夜中にブルーライトを浴びることを数日続けた後、普段と比べ、日中に疲労感やネガティブなムードを経験したことも分かりました。

いかがだったでしょうか?夜中のブルーライトは睡眠とサーカディアンリズムに多大な悪影響を与えます。そのため、夜に暖かい色の明かりなどを使いブルーライトを浴びる量を調節することは、健康と睡眠の質の改善に大きな効果をもたらします。

 

ブルーライトが有益な時とは

研究結果によると、健康や睡眠へのリスクがある一方で、日中にブルーライトを浴びることによる利益も確認されました。主な例としては、以下が挙げられます。

− 日中の眠気を抑える

− リアクションタイムの向上

− 注意機能の上昇

− 集中力の改善

更に、研究によると以上の効果を感じるために、長時間ブルーライトを浴びる必要はないことが明らかになりました。ある研究によると、朝30分間のブルーライトへの露出が、他の可視光線と比較して、記憶力の改善やリアクションタイムの向上を引き起こす可能性が分かりました。したがって、今日の世の中で光への露出量を調節することは、パフォーマンス、健康、そして睡眠の改善に繋がっているのです。

 

ブルーライトへの露出を減らす方法

− カロテノイドサプリメント:研究データによると、カロテノイドサプリメントには、眼球に備わっている光をブロックする能力を向上させる可能性があることが分かりました。人間の目には、網膜色素上皮と呼ばれるブルーライトから網膜を保護する機能があります。そのため、網膜色素上皮の状態を良好に保つことは目をブルーライトから守るために一定の役割を果たします。

− ブルーライトフィルターソフトウェア・アプリ:最近では、ブルーライトの量を夜中に減らしてくれるアプリやソフトウェアが比較的簡単に入手可能です。多くのスマートフォンやタブレットは、ブルーライトを削減する機能をオペレーティングシステムに組み込んでいます。

− ブルーライトブロッキングフィルム・レンズ:前述のアプリに加えて、ブルーライトを削減するスクリーンに貼り付け可能のフィルムやメガネを活用することにより、ブルーライトを浴びる量を調節することができます。

− 特別なライト・照明:ブルーライトへの露出を調整する上で、最も効果的な方法の一つが、LEDライトを利用することです。効率よくエネルギーを使うように設計されているLEDライトバルブは昼と夜に合わせて、適切な光を放出するように作られています。その中でも、サーカディアンリズムに基づいて作られているLEDライトは、夜中はブルーライトによって生ずる弊害を減らし、日中では前述した有益な効果が発揮されるようにする効果があります。

 

まとめ

− 日中に十分な量の光を浴びることは大切です。それにより、集中力の増加、ムードの改善、知覚の向上やサーカディアンリズムの保持、睡眠の質の上昇など様々な利益が見込めます。朝起きてすぐに10-15分ほど日光を浴びたり、昼食休みの時間に光を浴びることで健康的な光に対するルーティンを守ることができます。

− 夜中は極力液晶画面を見ることは控えましょう。夜にテレビを見てリラックスすることは大事ですが、寝る直前までスマートフォンの画面に釘付けになっているのは睡眠と健康に悪い影響を及ぼします。ブルーライトを浴びる量や光の強さを管理することは重要です。就寝時間の最低1時間前は、液晶画面を見ることを避けて、スマートフォンをベッドから離れた場所で充電しましょう。

− 現代の問題に対しては、現代的なアプローチをすることが必要です。普段から、自分の「光ダイエット」に注目し、色々なツールを活用して、健康な生活を保つために光との付き合い方を調整することが、長期的に多大なメリットを生み出します。