脳神経科学者ハル先生が一刀両断 ― Vol.4 脳内整理できてる?記憶力アップの影に眠りあり!

脳神経科学者ハル先生が一刀両断 ― Vol.4 脳内整理できてる?記憶力アップの影に眠りあり!

情報が溢れる時代、大人以上に子供達は成長をしながら多くの情報を取り入れていきます。あらゆる情報を脳が記憶として残すため、脳神経科学者のハル先生が脳内回路を解説。

記憶の整理は、寝ている脳の仕事!

子供の成績が上がってほしいと思うのはほとんどの親に共通した思いでしょう。成績を上げるには 「勉強しなさい!」ではなく「よく寝ようね」と話しかけてみたらいいかもしれません。なぜなら深くよく寝ると学習したことがよりよく脳に定着するからです。

例えば人の顔や名前などの情報を覚えた後、睡眠をとるグループととらないグループに分けたとしましょう。これまで何度も実験により証明されてきたように 、睡眠をとったグループの方が後々までよく情報を記憶しているのです。つまり、よく寝た子の方がテストの成績がよくなるかもしれません。

なぜよく寝ると記憶力がいいのでしょうか? 起きている間、私たちの脳は外界から押し寄せる津波のような量の情報を受けて、情報の一部は脳の海馬という領域で処理され保持されています。 海馬に保持された情報は寝ている間に、より大きな大脳新皮質に移され、長期の記憶として保存されます。この記憶の「引越し」が行われる前に次々と情報が脳に押し寄せると、海馬に保持された情報が塗り替えられ、以前に記録された情報は失われてしまうのです。

一夜漬けをしてテストに臨んだ経験は多くの人があるのではないでしょうか? その場でテストを突破できたとしても、 残念ながら覚えた多くのことは後で忘れてしまうかもしれません。日常生活においても記憶は大事です。記憶に残る毎日を過ごすためにも日々、十分な睡眠をとりましょう。

 

ハル先生プロフィール:
大川 晴久
東京大学卒業。南カルフォルニア大学、神経科学 博士課程卒業。
その後、約7年間ワシントン大学にて脳神経科学者として研究に従事。
その後、製薬系の外資コンサルティング会社にて、神経系のプロジェクト担当。
現在、外資系製薬会社に勤務。中枢神経部門に属する。 

 

記憶力アップのためのマットレスを見る

 

引用:

  • 睡眠のなぜに答える本 大川匡子、高橋清久、ライフサイエンス
  • 睡眠こそ最強の解決策である マシュー・ウォーカー SB Creative
  • Cespuglio R et al. (2005) Energy Processes Underlying the Sleep Wake Cycle; Chapter 1 in Parmeggiani & Velluti.
  • Xie L et al. (2013). Sleep Drives Metabolite Clearance from the Adult Brain.Science. 342 (6156): 373–377.
  • Gümüştekín K et al. (2004). Effects of sleep deprivation, nicotine, and selenium on wound healing in rats. International Journal of Neuroscience. 114(11): 1433–1442
  • Suka M et al. (2003) Persistent insomnia is a predictor of hypertension in Japanese male workers. J Occup Health.45(6):344-50.
  • Lucey BP et al. (2019) Reduced non-rapid eye movement sleep is associated with tau pathology in early Alzheimer’s disease. Science Translational Medicine
  • Banks S, Dinges DF. (2007) Behavioral and physiological consequences of sleep restriction. J Clin Sleep Med.3(5):519-28.
  • Sapolsky RM. (2004) Why Zebras Dont Get Ulcers. Third Edition. Henry Holt and Company, New York.
  • Leproult R et al. (1997) Sleep loss results in an elevation of cortisol levels the next evening. Sleep. 20: 865-870.
  • Vgontzas AN et al. (2001) Chronic insomnia is associated with nyctohemeral activation of the hypothalamic-pituatary-adrenal axis: clinical implications. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 86(8): 3787-3794.
  • Knutson KL, Van Cauter E. (2008) Associations between sleep loss and increased risk of obesity and diabetes. Ann N Y Acad Sci. 1129:287-304

gugu magazine

ニュースレター登録

登録