眠りの負債、「睡眠負債」とは?
まずは、次のリストをご覧ください。
- 一日中、疲労感がある
- 日中でも集中力が続かない
- 体調を崩しやすい
- 新しいことを、なかなか覚えられない
もしあなたに、上記いずれかの不調があれば、すでに睡眠負債を抱えているかもしれません。
睡眠負債がたまると、心身の不調の原因になることもあります。
今回は眠りの会社gugu(グーグー)スリープが、眠りの負債「睡眠負債」について解説します。
睡眠負債について学習して、睡眠負債を完済(解消)していきましょう!
そもそも「睡眠負債」とは何か?
そもそも「睡眠負債」とは何なのでしょうか?
睡眠負債とは、体が必要としている睡眠時間と実際の睡眠時間の差のことを指します。
睡眠負債=「体が必要な睡眠時間」−「実際の睡眠時間」
例えば、Aさんの体は8時間の睡眠を必要としているにもかかわらず、Aさんが実際に取った睡眠時間が6時間だった場合、Aさんは2時間の睡眠負債を抱えたことになります。
たった2時間の睡眠負債と軽く考えがちですが、10日で20時間、1年間では730時間もの睡眠負債を抱えることになります。
毎日の小さな睡眠負債が積み重なると、知らない間に様々な不調の原因になることがあるため、小さな睡眠負債でもためないようにすることが重要です。
眠くなくても、睡眠負債はたまっている
「特に眠気や疲労感があるわけではないから、私は大丈夫」そう考えている方もいるのではないでしょうか?
実は、睡眠負債がたまっていたとしても、必ずしも眠気や疲れを感じるわけではないことが、研究によって分かっています。
眠気や疲れなどを感じていなくても、知らない間に睡眠負債がたまっていて、その睡眠負債が心身の不調の原因となっている可能性があります。
参考:National Library of Medicine(NIH)
日本人の3人に1人が睡眠負債の債務者?
また、実は多くの日本人が睡眠負債を抱えている可能性があるのをご存じですか?
2019年に厚生労働省が実施した調査によると、日本人の約4割の平均睡眠時間は1日6時間以下となっています。
1日に必要な睡眠時間は年齢や、個人によって異なりますが、平均6〜8時間であることを考えると、日本人の3人に1人が睡眠負債を抱えていることになります。
睡眠負債が与える心身への影響
睡眠負債がたまると心身にどういった影響が出てくるのでしょうか。
ここからは、睡眠負債が原因で起こる心身
の不調について見ていきます。
体の不調
睡眠負債が原因で起こる可能性がある、体の不調には以下のようなものがあります。
- 免疫力の低下
- 体重の増加
- 高血圧/糖尿病などの生活習慣病の悪化
睡眠負債がたまると、自律神経やホルモンバランスが乱れ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が悪化、発生しやすくなります。
また、睡眠負債がたまっている状態だと、食欲を抑制するホルモンであるレプチンが減少し、逆に食欲や空腹感を生むホルモンであるグレリンが増加してしまうため、体重が増えやすくなります。
参考:National Library of Medicine(NIH)
心の不調
睡眠負債が原因で起こる可能性がある、心の不調には以下のようなものがあります。
- 集中力/判断力の低下
- うつ/不安/イライラなどの不安定な感情
睡眠負債がたまっていくと、体内からセロトニンなどの物質が枯渇し、集中力や判断力の低下、さらには抑うつ状態・不安・イライラ等の感情が不安定になりやすくなります。
その結果、「仕事の効率/パフォーマンスの低下→睡眠時間を削り仕事をこなす→睡眠負債が増えていく」といった悪循環に陥る可能性があります。
睡眠負債のチェック方法
自分に睡眠負債があるかどうかの正確なチェックは、病院などで行ってもらう必要がありますが、下記の式にご自身の睡眠時間を当てはめることで簡単にチェックすることもできます。
睡眠負債=「体が必要な睡眠時間」−「実際の睡眠時間」
もし、式の解がマイナスではなくプラスだった方は、睡眠負債がたまっている可能性があります。
【参考】
自分の体が必要な睡眠時間が分からないという方は、下記の米国疾病予防管理センター(CDC)の世代別の推奨睡眠時間を参考にしてください。
6〜12歳:9〜12時間
13〜18歳:8〜10時間
18〜60歳:7時間以上
61〜64歳:7〜9時間
65歳以上:7〜8時間
睡眠負債を返済(解消)するには
では、睡眠負債を解消するには、どのようにすればよいのでしょうか?
睡眠負債を解消する方法は、残念ながらただ一つ、体が必要としている分だけ毎日睡眠を十分にとることです。
ここからは、睡眠を十分にとるための、いくつかのアドバイスをご紹介します。
睡眠負債を返済(解消)できれば、風邪などをひきにくくなり、精神的な安定はもちろん、判断力や集中力が高まるなど、心身ともに健康になることが期待できます。少しづつでも良いので、睡眠負債を解消していきましょう。
夜のルーティンを作る
寝る前などのルーティンを作ることで、自然と眠りに向かうことができ、毎日睡眠を十分にとることができます。
寝る前の自分自身の行動を思い浮かべてください。寝る前にスマホやゲームなどを行なっていませんか?
2019年に行われた調査では、20代の約半数近くが、睡眠時間の確保を妨げている要因として、スマホやゲームを挙げています。
スマホやゲームなどから生じるブルーライトは、眠くない状態を誘発することが確認されており、毎日の十分な睡眠の妨げになります。
寝る30分前くらいからスマホやテレビ、ゲームなどを辞め、温かい飲み物を取ったりするなど、体がリラックスできるようなルーティンを作り、自然と眠りに向かえるようにすることをおすすめします。
睡眠日記をつける
睡眠日記をつければ、自分の睡眠パターンや毎日の睡眠に影響を与えている行動を知ることができ、何が原因で毎日十分な睡眠を取れていないかなど突き止めるのに役立ちます。
もし、睡眠日記に何を書けばいいか分からないという方は、次のようなことを記しておくことをおすすめします。
- 寝る前にとった行動
- ベッドに入った時間
- 睡眠時間
- 起床時間
- よく寝れたかどうか 等
原因がわかれば対処もできるので、毎日睡眠を十分にとる助けになります。
寝室の睡眠環境を整える
毎日睡眠を十分にとるためには、寝室を寝るのに最適な環境にすることも大切です。
以下のポイントを確認して、自分の寝室が寝るのに最適な環境かチェックしましょう。
- 音の出る物や照明など、眠りを妨げる可能性のあるものは電源を落としておく。
- マットレスや枕、シーツ、布団などが古かったり、自分に合っていないと感じたら交換する。
- 寝室の温度を睡眠に適した温度に保つ。(夏は28℃前後、冬は18℃前後)
睡眠に最適な湿度を知りたい方は、こちらの「意外と知らない、寝る時に最適な寝室の湿度とは!」記事をご覧ください
昼寝をする
睡眠負債の解消という点では、昼寝をとることの効果は限定的ですが、昼寝をとると、心身ともにリフレッシュすることができ、睡眠負債で落ちている集中力などを高めてくれます。
また、昼寝は12時〜15時の間に取るのがおすすめです。15時以降の昼寝は、夜の睡眠に影響が出る可能性があるため、できる限り避けましょう。
週末の寝だめで睡眠負債は解消できる?
おそらく多くの方が、「睡眠の問題なら寝だめで解消できる」と思っているのではないでしょうか?
残念ながら、休みの日の寝だめで、睡眠負債が解消できるかどうか、いまだに明らかになってはいません。
休みの日に行う寝だめは、むしろ毎日の生活リズムを乱し、睡眠リズムも乱れる可能性があるため、おすすめはしません。
医師に相談する
もし、日々の生活に支障が出るレベルまで睡眠負債がたまっている場合は、医師に相談することをおすすめします。
睡眠負債をきっかけに、眠りとの付き合い方を見直しましょう
みなさんは眠りをどう捉えていますか?
睡眠は予防医学として非常に重要で、しっかりと睡眠をとることは、病気にかかりにくく、健康的な体を作るのに役立ちます。
日々の忙しい生活で、なかなか十分な睡眠を確保できていないという方も、今回ご紹介したアドバイスなどを実践し、少しずつでも睡眠負債を解消していきましょう。
睡眠負債をため込まないためにも、毎日しっかりと睡眠を取り、健康的な日々を過ごしましょう!
よりよい人生に、よりよい睡眠を。
better sleep better you